[D2R] アクセシビリティを高めるために

「ディアブロ II リザレクテッド」のアクセシビリティを高めるために

2021年9月にリリースが予定されている「ディアブロ II リザレクテッド」のアクセシビリティ(便利さ、遊びやすさ)について、デザイン&UXアクセシビリティ部門のリーダーである、ドリュー・マクロリー氏によるコメントが公式ブログにて公開されました。内容を要約して紹介します。

目次


開発方針
操作性や利便性の改善(QoL)
オーディオのアクセシビリティ
終わりに


開発方針

「 ディアブロ II 」は発売から20年以上が経過しており、長年にわたって続く「Diablo II」コミュニティの人たちにとっては、ゲームの難しさやエキセントリックな面が体に染みついています。開発を始める前に、数千時間にわたって本作をプレイしてきた数多くの「D2純粋主義者」たちをチームに加え、変える必要のないものは変えないという方針を決めました。

私たちの誰もが同意したことは、たとえどれだけ芝生が青々と見えたとしても、それによって地面に落ちたレジェンダリーの杖が見えないような場合は、核となるゲームプレイ体験を究極的には阻害しているとみなす、ということでした。

このリマスターは私たちがアクセシビリティの領域に注目するチャンスとなり、Blizzardのゲームをより多くのプレイヤーに届けるという私たちの取り組みが進化して、これまで以上に洗練されたものになりました。

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操作性や利便性の改善(QoL)

ゴールド自動回収やフォントサイズの大型化、Windows® PC版のUIスケーリング、視認性を向上させるためのガンマやコントラスト設定などのオプションなど、開発の初期から大幅な改善が行われました。しかしこれだけに限らず、まだまだ改善の余地が残されていました。

ゴールドの自動回収の例

例として、ゴールドの自動回収を見てみましょう。この機能の当初の意図は、コントローラーを使うプレイヤーのクリック回数を減らすことでしたが、テクニカルアルファ期間中に、マウス&キーボードを使う手の不自由なプレイヤーにもこの機能が歓迎されていることが判明しました。手の不自由なプレイヤーでもこの機能で、核となるゲーム体験を損なうことなくストレスを緩和できます。元々は特定のプレイヤー向けに導入したものでしたが、それ以外のプレイヤーのQoLの選択を提供することになりました。これは「Solve for One, Extend to Many」(一人のための解決方法を多数の人に拡大する)という考え方で、コミュニティ全体に大きな影響を与えるのに繋がります。

攻撃のミス判定

初期のテストではプレイヤーから「近接攻撃が外れたときのフィードバックが不十分」という意見が寄せられました。 「 ディアブロ II 」 は、システム内部では攻撃などの際に、サイコロを転がすようなランダムな数値による判定が利用されています。そのため、プレイヤーがモンスターに密着しており、アニメーション上は明らかに攻撃が当たっていても、攻撃が外れることがあります。このシステム自体は問題ありませんが、攻撃がミスしていることをプレイヤーに十分に伝えられていませんでした。これは現代ではバグだとみなされます。

そこで、ミスした際には「ミス」というテキストを表示するオプションを追加しました。

攻撃がミスしたときの表示

キー割り当て

キー割り当ても重要です。本作では、コントローラーのボタン割り当てを大幅にカスタマイズすることが可能で、マウス&キーボード操作では、割り当て可能な機能の大量のリストが用意されています。

割り当て可能キーは全部で12個あり、あらゆるアクション/スキルをプレイヤーの望みどおりに割り当てることができます。このような完全なカスタマイズを実現するために、私たちは「インタラクト」などの割り当て可能な新たなニュートラルスキルも作成しました。

基本的に 「 ディアブロ II 」 はアイテムを回収して延々とクリックし続けるゲームです。これらのアクションから受ける疲労を軽減するQoL機能を追加しました。たとえば、地面のアイテムを見るアクションなどは、クリックにするか長押しにするかを切り替えられるようになりました。

これにより、ボタンを長時間押し続ける必要がなくなります。この変更だけでもテストに参加したユーザーから好意的なフィードバックが得られました。また、ボタンを何度も繰り返し押すことが難しいプレイヤーのために、長押しを続けることで押しているあいだに操作機能が切り替えられるようにもしました。

アイテムを見るオプション

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オーディオのアクセシビリティ

音声も、それぞれが重要な意味を持った様々な効果音が存在するため、プレイヤーがサウンドチャンネルをカスタマイズして、自分にとって重要なものだけを絞り込めるようにしました。オプションメニューで、複数のオーディオチャンネルの音量を調整できます。これらのスライダーでは、音声、UIキュー、足音、モンスターに攻撃が命中した時の効果音、武器のノイズ、周囲のオブジェクト、戦闘のゴア表現などの音量を調整可能です。

オーディオのアクセシビリティ

プレイヤーがゲーム体験を自由にカスタマイズできるように、ここで紹介したもの以外にも複数のアクセシビリティ機能のオプションを開発中です。より多くの人が楽しめることが私たちにとっても楽しみとなりますので、「ディアブロ II リザレクテッド」をできる限り多くのプレイヤーに楽しんでもらえるように努めたいと私たちは考えています。

デザインUX/アクセシビリティ・リード、ドリュー・マクロリー

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終わりに

私たちはBlizzardのゲームのアクセシビリティに関して、引き続き皆さんが意見や感想を寄せてくださることを期待しています。プラットフォームの種類や障害の有無にかかわらず、長年のベテランから新規プレイヤーまで、あらゆる人々に「Diablo II」の時を越えて色褪せないゲームプレイを楽しんでもらえることを願っています。

プレイテストやリサーチ、コミュニティメンバーに参加を望まれる方は、Blizzard Researchのウェブサイトからご登録ください。私たちは、独自の視点からBlizzardのゲームのプレイヤー体験の改善に協力してくださる方を常時募集しています。

「ディアブロ II」の公式フォーラムまたは「r/Diablo」のサブレディットで皆さんのご感想やフィードバックをお聞かせください。

「ディアブロ II リザレクテッド」の詳細はこちらの公式ウェブサイトをご覧ください。また、公式Twitterの@Diabloをフォローしていただければ、リアルタイムで最新情報を得ることができます!

ディアブロシリーズの日本公式Twitterアカウントはこちら:@playdiablo_jp

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ソース(全文):「ディアブロ II リザレクテッド」のアクセシビリティを高めるために