[D4] ディアブロ IV 初期ビルド体験レポート
今回、幸いにもディアブロIVの初期ビルドを体験させてもらう機会に恵まれました。そこで得た最新版のゲームシステムや過去作等と比べた率直な感想を、過去作経験者としてお伝えします。(※)
なお、この初期ビルドでは以下の制限が設けられていました。
- 体験できるのはプロローグ及び「Fractured Peaks」地域のみ
(製品版では5つのエリアが存在する) - 使用クラスは、ローグ、ソーサレス、バーバーリアンの3種
(ネクロマンサーとドルイドは使用不可) - レベル上限25
(製品版のレベル上限は100)
また、今回のレポートは初期ビルドであるため、製品版と内容が異なる可能性があります。
もう1点、初期ビルドの画像・動画保存は禁止されていたため、記事内の画像や動画はActivision Blizzard Japan社より提供されたものを参考情報として使用しています。
※ディアブロ3は主に発売~2年程度熱心に遊びました。シーズン導入からはたまに遊ぶ程度。オリジナルのディアブロ2、リザレクテッド、イモータルは経験済みで、他有名どころのハクスラゲーム(Path of Exile、Grim Dawn、Torchlight等)も一通りプレイしています。
目次
ストーリー
雰囲気・グラフィック
戦闘システム・アクション
ディアブロシリーズ初の「オープンワールド」
スキル・ビルド
装備品以外のアイテム
キャラメイク
総評
ストーリー
ネタバレになるため、あまり語れないのですが、シナリオが雰囲気やキャラクターと非常によく合っています。
暗く寒い荒野で悪魔達と戦い、ダンジョンに潜り、時折仲間に助けてもらいながらリリスに少しずつ迫っていく主人公の気分を、多くの人がしっかりと味わえるでしょう。
ディアブロIVの主役である「リリス」が登場するシネマティックトレーラーを見ておくことで、ストーリーの理解がより深まります。既にご覧になられた方も、もう一度見てみてはいかがでしょうか。
雰囲気・グラフィック
一貫して、暗く寂しい雰囲気となっています。人は少なく、村や街には綺麗な建物もないため、ダークファンタ―ジーらしい生々しさが感じられます。
血しぶきや裂傷なども鮮やかな色ではなく濃い血の色で再現されており、よりその雰囲気が増しています。
背景やマップは綺麗で、キャラクターグラフィックもディアブロ3よりかなり進化しています。今回はレベル上限が設けられていたため派手なスキルを使ったアクションはできませんでしたが、成長したキャラクターで遊ぶのが今からかなり楽しみです。
グラフィックに関しては、公式が公開している様々な動画そのままのようですので、公式YouTubeチャンネルや過去の記事を確認するとよいでしょう。
なお、グラフィックを最高設定にしてもグラフィックボードのファンが唸ることはありませんでした。製品版で変わる可能性はありますが、比較的低スペックでも遊べそうです。
戦闘システム・アクション
戦闘システムは、ディアブロ3とディアブロ2のいいとこ取りのような感じです。非常にシンプルで、ディアブロシリーズ未経験者でもすぐに戦闘システムが理解できるはずです。
操作性を含めた基本部分はディアブロ3を踏襲しており、メイン攻撃でマナなどのリソースを稼ぎ、リソースを使った強力なスキルと、クールダウンが必要な更に強力なスキルで戦います。
攻撃エフェクトは、ややディアブロ2に近く、打撃や突き刺し攻撃、炎・雷のような属性攻撃は、よりそれらしさが感じられるよう作られています。
これらは公式の動画でも確認できますが、実際に操作してみることで特に実感できました。ディアブロ2の戦闘アクションが好きで、ディアブロ3では物足りなく感じていた方は嬉しいのではないでしょうか。
新しいアクション「回避」
ディアブロIVでは、敵の攻撃を避けられる回避が新しいアクションとして実装されます。回避は、クールダウンの短い全クラス共通のスキルで、その名の通り敵の攻撃を回避することが出来ます。
回避を使うと敵をすり抜けられるため、敵に囲まれて移動できずに袋叩きにされることを避けられます。
従来のディアブロシリーズでは(特にハードコアで)敵に囲まれたときに抜けられるよう、常に移動スキルを使える状態にしておくテクニックが必要でしたが、回避があるおかげでスキルを戦略的に使えるようになっています。(この回避はスタックできるようで、初期ビルドでは2スタックまで出来ました)
回避があるためか、序盤からボスが手強く、回避を前提とした攻撃を行ってきます。最も低い難易度でも棒立ちでボスを殴り倒すことが出来ません。この戦闘のメリハリはディアブロ2に近い印象を受けました。
ディアブロ3では敵が極端に弱いか強いことが多く、”避ける”という動作は少なくとも成長途中では重要ではありませんでした。その点、ディアブロIVは、しっかりとアクションRPGを体感できるゲームになっています。
回復ポーションの所持量
回復ポーションはアイテムとして所持するのではなく、最大5個持った状態でスタートします。このポーションは、敵を倒したり、破壊可能オブジェクトからドロップされるもので補充します。
ディアブロ3やディアブロイモータルと、ほぼ同じシステムです。
ただ、全く同じというわけではなく、この回復ポーションについても、ディアブロ3とディアブロ2のいいところ取りをした改良が行われています。
ディアブロ2ではアイテムとして回復ポーションが用意されており、ポーションの売買や拾う作業、アイテム欄での整理が必要で、それらがゲーム体験のテンポを失わせていました。古き良きゲームとしては問題ないのでしょうが、やはり今どきのゲームとしては受け入れられにくい点です。
これらの手間を無くすために、ディアブロ3ではポーションが一種のスキルとして、クールダウン管理する固定アイテムになった経緯があります。
ただ、このシステムも完璧ではなく、常に使えるクールダウンありのアイテムとなったことで、良くも悪くもただのスキルとなってしまったのです。
ディアブロ4ではこの点が改良されており、複数個のポーションを持てるようになりました。戦況に応じて自分の判断のもとで回復ポーションを使えるようになり、より戦闘が楽しめるようになっています。
戦闘をより楽しくする素晴らしい変更点だと思います。
ディアブロシリーズ初の「オープンワールド」
今作の目玉として公表されたオープンワールドですが、マップの境目が無くなった程度に留まっており、基本的なマップ構成はディアブロシリーズや他のディアブロクローンと同じです。
「オープンワールド」という響きで、”世界の端以外どこでも自由に歩ける”ものになるのかと個人的に心配していたのですが、そうではなかったので、その点は安心しました。
オープンワールドになって明確に良くなった点として、ストーリーに没入しやすいことが挙げられます。
今までは、マップを行き来する度にロード画面が入り、全く情景が異なるマップに突然飛ばされることもありました。
それが無く、シームレスに行き出来るようになったことで、ストーリーの理解がより深まったように感じられるようになっています。
ディアブロ4では他のプレイヤーも街やフィールド上に現れるので、「オープンワールド」との組み合わせがどんなゲーム体験を生むのか今からとても楽しみです。
スキル・ビルド
ディアブロ3では、いつでも変更できるスキルが売りでしたが、ビルドの多様性が失われてしまっていました。この点、ディアブロ4のスキルはディアブロ2と同じスキルツリー+ポイント制となっており、ビルドに幅が生まれています。
単純にスキルを獲得、強化するものにポイントを振るだけでなく、「継続ダメージ強化」や「状態異常中の相手にダメージアップ」など、特定のスキルと相性の良い項目にポイントを振ることもできます。
スキルの性能を単純強化するか相乗効果を狙うかの選択は、かなり楽しい体験となります。
ポイントのリセットもゴールドを少し使うだけでよく、簡単にスキルの振り直しが出来ます。
ビルド要素はハクスラゲームにとって非常に重要なポイントで、どんなにエンドコンテンツが充実していても、ビルド要素に面白みがなければ長く続けられるゲームにはなりません。
ディアブロ4にはスキルツリー以外にも能力を強化するための、パラゴンシステムやグリフシステムが用意されています。
今回は体験できませんでしたが、レベル50以降はパラゴンでもスキルを強化できるようになるため、かなり幅広いビルド構築が行えると期待しています。
装備品についている特殊効果も、特定のスキル(行動)強化系が付いており、ディアブロ2に近い「アイテム掘り」が楽しめそうでした。
ただこの点についても、体験した初期ビルドにレベル上限が設けられていたため、どの程度の可能性が秘めているかは分かりません。
とはいえ、全スキル+2のレジェンドアイテムを拾ったときはとても嬉しかったので、製品版でトレハンをするのがとても楽しみです。
装備品以外のアイテム
装備品を強化する素材、アイテム作成に必要な素材、一時的に自身を強化するエリクサーなどもあります。素材は装備品を砕いて手に入れたり、エリートモンスターを倒したり、突発イベントをクリアしたり、様々な方法で得られます。
装備品が鍛冶屋で強化できるのが、ディアブロ4の大きな特徴です。装備品を強化することで、攻撃力や防御力だけでなく、継続ダメージ強化などの特殊強化も性能も上げられます。
レジェンド装備に備わった固有能力の抽出などもあり、それと比べるとやや見劣りしますが、レジェンドよりもレア度が低いレア装備やマジック装備も性能次第で使いまわせるようになるのは、トレハンの魅力を大きく向上させています。
キャラメイク
キャラクター作成画面でのカスタマイズは充実しており、個性を出せるようになっています。今では多くのゲームで取り入れられている機能ですが、ディアブロ2やディアブロ3にはありませんでした。
初期ビルドで行えたカスタマイズは、「顔+体つき(性別)」「髪型」「眉毛」「入れ墨」「装飾品」「化粧」「肌色」「髪色」「目の色」「入れ墨の色」の10種類です。
装備品の見た目を変えることもできるため、オリジナルキャラクター作成の楽しみがかなり増えたのではないでしょうか。
総評
ディアブロ4はかなり期待できるゲームになりそうです。記事中で何度も触れましたが、随所でディアブロ3とディアブロ2の良いとこ取りをしています。
ディアブロ3はアクションRPGとしてアニメーション、エフェクト、QoLが素晴らしいゲームでしたが、ビルドの多様性が失われていました。
ディアブロ2も、ハクスラの始祖としてゲーム性は完成されているものの、QoLの面では流石に時代遅れと言わざるを得ません。ディアブロ4はそんな不満を解消し、お互いをうまく掛け合わせています。
ハクスラはレベルが上限に達してからがスタート地点であることがほとんどです。そのため、初期ビルドかつレベル25までの今回の体験は、ディアブロ4の本当に限られた一部でした。
ですが、アクションRPGの根幹となるアクション部分や、オープンワールド要素、新しいスキルツリーに触れたとき、開発者のディアブロに対する思い入れをひしひしと感じました。
今作品では、ハクスラのゲーム性を向上させる要素も豊富に追加されています。
ディアブロ4は全く新しい時代のハクスラではなく、ディアブロシリーズの血を色濃く受け継いだ正統派のディアブロです。
新時代のハクスラを求めている人は失望するかもしれません。しかし、ディアブロファンが求めていたディアブロがディアブロ4で提供されそうだと、今回の体験で強く感じました。